Cohere

Cohereは、人工知能モデルを提供する企業であり、公式サイトはcohere.comです。同社は自らを企業向けのAIプラットフォームと位置づけており、主に開発者やエンタープライズレベルのユーザーを対象としています。API（アプリケーション・プログラミング・インターフェース）形式で主要製品を提供し、ユーザーが自然言語処理能力を自身のアプリケーションに統合できるようにしています。

このプラットフォームは、Command RやCommand R+など、Commandという名の一連の大規模言語モデルを提供しています。これらのモデルは、エンタープライズレベルの実用的なユースケースに対応するよう設計されており、その機能には、対話、テキスト生成、そして検索拡張生成（RAG）やツール使用に基づく複雑なタスクの実行が含まれます。もう一つの主要な機能はEmbedモデルです。このモデルの役割は、テキストをベクトル表現に変換し、セマンティック検索、テキスト分類、クラスタリングなどのタスクをサポートすることです。公式情報によると、この埋め込みモデルは100以上の言語をサポートしています。さらに、プラットフォームはRerankモデルも提供しています。その特定の機能は検索結果の順位を最適化することです。ユーザーが初期の結果リストを取得した後、Rerankはこれらの結果を並べ替え、返されるコンテンツの関連性を向上させることができます。

これらの異なるモデルは、組み合わせてソリューションを構築するために使用できます。一般的な応用フローとしては、まずEmbedモデルを使用して大量のドキュメントやデータをベクトルに変換し、検索可能なナレッジベースを構築します。ユーザーが質問をすると、システムはセマンティック検索で関連情報を検索し、次にRerankモデルを利用して検索結果を最適に並べ替え、最後にCommandモデルがこれらの選別された情報に基づいて、文脈に沿った回答を生成します。このような統合方式は、特に高度な検索拡張生成（RAG）システムの構築に適しています。

デプロイメントに関して、Cohereはさまざまな企業のニーズに応えるために複数の選択肢を提供しています。ユーザーはクラウドAPIを介してモデルに直接アクセスすることも、プライベートクラウドやオンプレミス環境にデプロイすることも選択できます。このデプロイメントの柔軟性は、データプライバシーとセキュリティコントロールに対する企業の要求に応えることを目的としています。そのモデルは、AWSやOracle Cloudなど、複数の主要なクラウドサービスプラットフォームでの利用もサポートしています。